チヌ遠投釣法

チヌ遠投釣法 理論編 3 まとめ

こんにちは、ぎんきです。

ぎんきのフィッシングブログ開設して、1年が過ぎました。色んな釣りをしてきて、このブログで主に紹介しているチヌ(クロダイ)の遠投ふかせ釣りが、今までやってきたフィッシングの中で一番手軽で、楽しめて、大きい魚が釣れると感じたからなのですが、このチヌ遠投釣法を2年前から実践するようになり、ブログを通じて、ご紹介させていただいた魚(ほとんどチヌ)は50匹ほどでほとんど40cmオーバーで最長は53cmの年無しです。この1年で、ますますこのチヌ遠投釣法が楽しくなりました。出来ればもっとみんなに知ってもらいたいので、このブログを通じて広めていこうと思っています。

というわけで、改めてこのチヌ遠投釣法のメリットとデメリットをご紹介し、キモとなるポイントのご説明をしようと今回、チヌ遠投釣法 理論編 まとめ として投稿することにしました。

チヌ遠投釣法 メリット

  1. フィールドを選ばない
    磯・波止・渚・筏 等 釣り座が移動しない限り同じタックルで対応できる。
  2. 仕掛けがシンプル
  3. 魚の引きを長時間楽しめる。
  4. 季節による釣果の変動があまりない
  5. 仕掛けがなじんでから、余分な操作の必要がない
  6. 日中でも問題なしに釣果が望める

他にも色々あるのですが、この6項目に関してご説明させていただきます。

①フィールドを選ばない

当然、そのフィールドにチヌが生息していることが前提となりますし、魚影の濃いところをフィールドに選ぶ必要があります。それを踏まえた上での釣り座の条件は5mの竿でキャストすることが出来、魚が取り込むことが出来るのであればどんな所に釣り座を構えても同じ仕掛けで釣りが成立します。チヌをターゲットにするので、グレ釣りなどのように沖磯の潮通しいい一級磯でなくても、ルアーフィッシングのようにエサとなるベイトの有無で左右されることもなく、湾内の穏やかな入り江などでも、そこにチヌが生息しているのであれば撒き餌で集めて釣ることが出来るのです。

②仕掛けがシンプル

仕掛け自体はウキ釣りそのもので、1本バリにサルカン・潮受けゴム・リダーを介しますが、道糸にウキを通してハリスに繋ぐのみの至ってシンプルなものです。ハリとサルカンの結びが出来れば初心者の方でも仕掛けを1から作ることが出来ます。(釣りを始めるにはハリとサルカンの結び方は知っておくべきと思います。)

③魚の引きを長時間楽しめる。

魚釣りの醍醐味はやはり、魚を掛けてからのやり取りではないかと私は思います。釣った魚を新鮮なうちに食するのも、いつアタリがあってそれがどんな魚なのかを待っているのも、すべて魚釣りの楽しみなのですが、やはり魚とのやり取りが1番です。特にチヌ釣りに於いてはその重厚な引きを味わえるのです。その上、ふかせ釣りでは、5m以上の軟調の竿でのやり取りです。それが、遠投することによって長時間楽しめるので、言うこと無しだと思います。

④季節による釣果の変動があまりない。

チヌ釣りと言えば乗っ込み時期の3月後半から5月の始め頃がベストシーズンじゃないのと思われまますが、事実、この時期はチヌ釣りにとってベストシーズンであることは確かです。産卵を控えた回遊性の大型チヌが入ってきて数、型とも満足のいく釣果に恵まれます。しかし、3月の後半から4月の中頃まで季節の変わり目で天候が安定しません。後で説明させていただくチヌ遠投釣法の弱点である風に影響される時期なのです。その後、乗っ込み時期が終わって、チヌの体力が回復するための期間は完全に沈黙ということになります。一時的なものなので、地域によって多少のずれが生じます。太平洋側がこの時期に入ったと推測されれば、日本海側に釣り場を変えるなどして、回避することにしますが、当てが外れることもあります。しばしの沈黙の後、ボロボロの回復チヌが釣れ始めますが、水温が高くなってくるとエサ取りの猛攻が激しくなり、一般的にはふかせ釣りは難しい時期とと言われていますが、刺し餌をエサ取りに強いサナギやコーン中心に切り替えることて対処するのと、後でチヌ遠投釣法のキモとなるポイントで説明させていただこうと思うのですが、基本的に刺し餌を比重の重いウキで強制的に沈めるので、中層のエサ取りを回避できます。私の経験では、水温の上昇してエサ取りが多くなって釣り辛いと思われるこの時期でもコンスタントに釣果が望めていますし、一般に渚釣りが本番を迎えるのもこの時期だと思います。チヌ遠投釣法では、初夏から真夏、秋まで問題なく釣れますが、真夏は釣り人の方が持たないのであまりやりたくありません。真夏は夜釣りをして暑さを避けるということもできると思うのですが、安全面に於いて夜釣りはリスクがあるので控えたいと思います。8月末から9月・10月と台風シーズンになりますが、それを避ければ問題ありませんし、11月・12月のチヌは越冬のためエサをしこたま食べて体力を温存する時期で、一年で最もパワーのあるチヌが多く釣れる時期です。私はこの時期がチヌ釣りのベストシーズンだと思っています。あえて一番厳しいのは厳寒期の1月・2月がそれにあたると思いますが、案外、沖の一文字などでこの時期よく釣れます。ということで、場所の選択を間違えなければ、私の実践しているチヌ遠投釣法に於いては、季節に関係なくチヌの顔を見ることが出来ます。

⑤仕掛けが馴染んでから、余分な操作が必要ない

チヌ遠投釣法の基本はふかせ釣りなのですが、ふかせ釣りの基本は、魚が捕食しているタナ(水深)を判断して、刺し餌と撒き餌をそのタナに同調させて、魚に刺し餌を食べてもらうのです。ウキ止めを付けて魚の喰ってくるタナ(水深)を決めて釣る場合は特にそのことを意識してアタリを待ちます。ウキ止めを付けない全層釣法に於いても、刺し餌をゆっくり沈めていき、ゆっくり沈むウキ(仕掛けの重量が乗ってきてから沈む場合もあれば刺し餌と同調して単体で沈む場合もあります。)ラインを張らず緩めずの状態でタナ(水深)を探っていきます。ウキ止めを付けた半誘導のふかせ釣りでウキを浮かせてウキでアタリを取る場合は、道糸を若干緩め気味にしてウキの動きに集中すればいいのですが全層釣法の場合そうはいかず、常に刺し餌をゆっくり沈ませるように道糸をコントロールさせる必要があります。全層釣法の難しいところは、このタナ(水深)を探ってゆく作業にあります。しかし、私が実践しているチヌ遠投釣法に於いては、比重の重たいウキで、刺し餌を強制的に底に沈めてしまいます。ですから狙いのタナ(水深)は基本的に底です。ウキが底に着いたらラインを張り気味にして、アタリを取るので、仕掛けが、着水し、仕掛けがなじんで、刺し餌に変化があったら穂先に現れるように刺し餌・ウキ・穂先の伝達ラインを確保します。このことが出来ていれば穂先の変化に集中してあとは待つだけなのです。本来のふかせ釣りは常にタナを意識して探っていく立体的な(3次元)釣りなのに対して、私が実践しているチヌ遠投釣法は、平面(2次元)の釣りでタナを探る操作は必要ないのです。言い換えれば難しいタナ探りをしなくてもいいということは、初心者でも釣果が得られるということだと思います。

⑥日中でも釣果が望める

本来釣りは早朝の魚の活性が高い早朝に魚がよく釣れるのですが、私の経験上、このチヌ遠投釣法では、どちらかと言うと早朝より、お昼過ぎてから釣れるパターン多いのです。逆に朝一から釣果に恵まれることはあまりなかったように記憶しています。これは、本来、エサの存在しない所に撒き餌を打って魚を集めるのと、底を狙うため、撒き餌は拡散性の少ない海底に沈むものを使用するので、ポイントが作られ魚が集まるまでに時間が掛かるためだと思います。本来、魚が警戒するような日中でも釣れることが多いのは、遠投することによって、魚の警戒心が薄れるためと思います。このことは逆にデメリットになるのですが、後程、解説いたします。いずれにしろ、釣りをして日中でも釣れるのなら諦めずに釣りを楽しめるのです。

チヌ遠投釣法 デメリット(弱点)

  1. 風に弱い(特に向かい風)
  2. ウキが根掛してロストする
  3. 撒き餌が効くまで時間が掛かる

以上、3点が私が実践しているチヌ遠投用法のデメリット(弱点)なのですが、メリットの割には項目が少ないのですが、いずれも全く釣りにならないことであったり、③に於いては、競技会に出られる方にとっては致命的な要因でもあります。

①風に弱い(特に向かい風)

重たい仕掛けを遠投するのでしたら、多少の向かい風でも仕掛けを投入できますが、チヌ遠投釣法の場合重いウキを付けたとしても20gが限界です。また着水時にウキよりも刺し餌をより沖に着水させることがキモとなります。その操作が非常に困難になるのと、撒き餌が遠くまで飛んでくれません。ですから風の強い時は避けた方が無難です。どうしても風の強い日にこの釣法を実践されるのでしたら、背後から風が吹いてくるポイントを選択するか風裏に移動することをお勧めします。(参考の風速ですが、7mを超えると背後の風、以外は無理です。)

②根掛かりしてウキをロストする。

ウキ単体で沈むためウキ自体が根掛かりします。浮力のあるウキでしたらウキが浮いてきて回収は可能なのですが、ウキが沈むので、回収は出来ません。ウキが根掛する要因としては海底の起伏が激しいところでの釣行と思いますが、チヌ遠投釣法でポイントとする海底の状態はどちらかと言うとフラットな砂地か、若干のごろ石がベストです。その近くに駆け上がりやカニ・エビ・カキ・フジツボ・イガイ・などチヌが好んで食べるエサが付いている障害物があればなおベストです。初めてのポイントなどではキャストした先の海底にどんな障害物があるかはほとんど分からないので、根掛することを考慮して、出来るだけ単価の安いウキを中心に使用することにしています。その中でお勧めなのが、何度か紹介させていただいているプロマリンのSight TypeⅦ と マルシン漁具の極磯 FIREです。これらのウキの比重の重い(00または0)をボーメ度 7~8にウエイトチューニングして今のところメインのウキとして使用しています。

上記、のウキでしたらブランドのチヌウキが1個に対して、約3個買えるので、万が一ロストしてもダメージは少ないです。
しかし、ラインを張り気味にして、穂先で探りながらアタリを取っていると慣れてくれば穂先の変化で根掛しそうな状況が判断できますし、ウキ自体が根掛するより、素バリやガン玉が根掛する頻度の方が多いので、刺し餌の有無を判断して回収することに専念すれば、より根掛を回避することが出来ます。

③撒き餌が効くまで時間が掛かる

これは、メリットのところでお話しした、中でも釣果が望める この項目の反面なのですが。撒き餌を拡散性の少ない海底に沈むものを使用するのでポイントが作られ魚が集まるまでに時間が掛かります。このことはデメリットとして、魚が集まるまでに時間が掛かってしまい効率が良くない。そのため、渡船(特に磯渡し)を利用した場合、地域にもよりますが、日の出から14時納竿のところが多いためやっと魚を集めたとしても、地合いを待たずして納竿せざる負えない場合も出てきます。また、大会などでは決まった時間内に釣果を上げなければならないので、この釣法はあまり適していないということです。勝負をするならば拡散性の高い集魚力のある撒き餌で中層に魚を浮かせて、短時間で効率よく釣果を上げる釣法の方が適しています。言い換えれば、じっくり粘って確実に釣果を得たいのなら数こそ望めないものの釣果は保証できます。

チヌ遠投釣法 ポイント

チヌ遠投釣のメリットとデメリット(弱点)について、解説させていただきましたが、私のこの釣法、当初は、ふかせ釣りの全層釣法のメソッドを流用して始めました。ウキの重量を少しずつ重くしたのと、練り餌を使用して感じたところ、練り餌の比重が重いので着水するとそこそこの沈下速度で着底します。ということは、練り餌使用の場合、底に刺し餌があるというこです。浮力のあるウキの助けを借りて重量のある練り餌をゆっくり沈下させることは可能かもしれませんが、遠投するので、ほとんど不可能です。そのあたりを考えて、チヌ遠投釣法において、狙いのタナは、底とすることにしました。このことによってタナを探る必要がないので、ウキ自体もそこそこのスピードで沈下するようウエイトチューニングしたものを使用していますし、撒き餌も沈下速度の速い物を使用します。

チヌ遠投釣法とぶっこみ釣りの違い

重量のあるウキで底をポイントとするので、ぶっこみ釣りや投げ釣りで、投げたところに撒き餌を打てば同じと思わますが、決定的な違いはウキを錘として考えていないということです。沈むのだから錘じゃないかと思われますが、沈むことは沈みますが、一般に海水の比重は1.023と言われています。通常の000のウキで私が調べたところ大体1.03から重くても1.04くらいです。私がチヌ遠投釣法で使用している。中心となる基準のボーメ度7~8では,1.05~1.06なのです。空気より重い物体でも例えばコンビニの袋があったとします。何もない状態でしたらその場から浮遊することはないのですが、風が吹いて来たらどうでしょう、飛んでいくではありませんか、海底でも同様の現象が起きます。これがコンビニ袋じゃなくビール瓶だったら風が吹いてもコンビニ袋のように飛びませんこれが錘なのです。チヌ遠投釣法ではウキは海底で潮に流されて移動しますし、ライン操作でゆっくり浮遊させることが出来ます。これは高感度で細くてラインの抵抗の少ないPEラインを使用することで、僅かに流されるウキの挙動の感知や細かいウキの操作を可能にしてくれます。

底に魚を寄せるための撒き餌

底に魚を寄せるので基本的に比重の重い集魚剤をベースにすることは言うまでもありません。それとできるだけ撒き餌を遠くに飛ばしたいのでまとまりがいい集魚剤でないとだめなので、その辺を考慮して選んでいただければいいと思いますが、私はこのところ、集魚剤はヒロキューのスーパーブレンド 制覇 チヌ 一択です。この集魚剤は、私が知る限り、かなり前からモデルチェンジやバージョンアップされず長年、販売されているベストセラーではないかと思います。拡散性の高いホワイトブレンドもあるのですが、拡散性は二の次と考えていますので、こちらを選択しています。ヒロキューの10段階の評価では比重 9 拡散 4 遠投 10 増量 3 濁り 5 となっていますので打って付けです。

ヒロキューのレシピでは、スーパーブレンド 制覇 チヌ 1袋に対してオキアミ3kgの割合で水分は加えず練り込むとのことですが、私は2袋に対しておきあみ3kgとアミエビ800をブレンドしてより粘りを出す様にしています。

詳しいレシピはこちらを確認ください。

チヌ遠投釣法を真上から見てみると

以前、投稿させていただいたチヌ遠投釣法 理論編 仕掛け では、横からのチヌ遠投釣法のイラストを紹介させていただきましたが。今回の理論を踏まえて、真上から見たチヌ遠投釣法のイラストを作成しましたのでそちらを解説したいと思います。

※1.このイラストでは上下の位置関係が分からないので、補足いたしますが、ウキから下は海底に沈んでいる状態です。それでも矢印の潮の流れる方向によりウキは釣り人の右から左に流されます。
※2.①.②.③の仕掛けの動きに対して釣り人側の道糸の角度がきついのですが、遠投しているので対比角度は、もっと少ないです。

仕掛けを投入する前に撒き餌の黄色い楕円の潮上に撒き餌を集中して撒きます。イメージとしては撒き餌自体まとまりのあるものを使用しますので、海底にイラストのように沈んでいると仮定します。一部が潮の流されて、イラストのように流れていきます。

①が仕掛けを投入してラインメンディングし、刺し餌 ウキ 穂先が一直線になるように底に沈んでいる状態です。本来は風の影響や、上潮の状況があるのでこのように一直線にすることは、難しい場合もあるかと思いますが、イメージとしてお考え下さい。私の仕掛けはPEラインの先に、重量のあるフロロカーボンのリーダーを約5ヒロ程、取ります。これは擦れに弱いPEラインが、駆け上がりに擦れたり、途中の岩に擦れて切れるのを防ぐのと共に道糸の先に重量の重いラインをつけることのよって、道糸に張りを持たせる効果があるためです。

仕掛けが海底に沈み①の状態になれば追い打ちの撒き餌を打ち、ラインを張り気味にしてアタリを待ちます。ここからは先にご説明させていただいた、ぶっこみ釣りとの違いになるのですが、錘では、かなりの潮流でない限り流れていきませんが、比重が1.05~1.06のウキはわずかな潮の流れでも流れていきます。基本は、ラインは張り気味なのでウキが流され仕掛け全体は手前に寄ってきます。(②~③の状態)底潮の流れがきつい場合、穂先の曲がりで判断してラインを出す場合もありますが、基本的にラインを出すことはあまりありません。ウキが手前に寄って来てもハリスが竿1本ほどの長ハリスなのとハリ上、約50cmのところにG5のガン玉を打っていますので、刺し餌の移動は若干緩和されるのと、刺し餌に変化があれば穂先に伝達されます。この情報を元にエサの有無・根掛・前あたりなどを判断します。

ポイントのまとめ

上記、チヌ遠投釣法の理論に関して書きましたがキーとなる項目をまとめます。

チヌ遠投釣法キーポイント
  1. PEラインの使用、リーダーは比重の重いフロロカーボンを5ヒロとる
  2. ウキの比重は1.05~1.06
  3. 撒き餌はまとまりのいい底に沈むもの 拡散性は重視しない
  4. 刺し餌・ウキ・穂先の直線状態を作りラインを張り気味でアタリを取る
  5. すぐに釣果が現れる釣法ではないので、じっくり諦めず釣ることで、釣果が得られる。

チヌ遠投釣法の課題

チヌ遠投釣法を実践している中でメリット・デメリットお伝えして、理論編のまとめとしてお伝えしましたが、現状、チヌふかせ釣りの延長にある釣法で、研究の余地がたくさんあります。特に私が現状、注目しているのがハリです。使用しているのはチヌふかせ釣りのチヌバリで、底を攻めるので、オニガケ底攻めチヌ 1択ですが、練り餌を使用した時に練り餌だけけが巧妙の吸い込まれてアタリが出ない場合や、コーンとさなぎ、コーンとオキアミを抱き合わせて付けた時に遠投するとエサが取れるなど状況があります。そのため条件に合わせたハリの選択が必要と痛感しています。ですが、ハリの種類があまりにも多いので、今まで、実績のあったものを中心に使っているのが現状で、この辺をもっと追求しようと思っています。