チヌ遠投釣法

チヌ遠投釣法 理論編 2 ウキ

あけましておめでとうございます。ぎんきです。

令和元年から始めたこのブログですが、新たな年を迎えることができました。
チヌのふかせ釣りの釣り方である遠投してウキを沈めるチヌ遠投釣法のタックルや仕掛けエサなどの紹介をメインに投稿してきたのですが、今年、1回目の投稿として、この釣法に於いて、最も重要なアイテムであるウキについてのお話をしようと思います。

チヌ遠投釣法のウキのまとめ

ウキに関するご説明は下記の投稿ページで触れてきました。

などですが、投稿した当時と若干考え方が変わった部分もあるので、今回、改めてまとめておきます。

チヌ遠投釣法 ウキの形状に関して

ウキの種類は中通しの円錐ウキを基本とします。水平ウキでも問題はないのですが、後でご説明させていただく、ウエイトチューニングの際にバランスを取りにくいので、基本円錐ウキとします。底面が出来るだけ平らで下膨れ形状の低重心設計の物が理想です。底が平らで面積が大きいとウエイトバランサーを張るスペースを確保できるのと、潮受けウキゴムの接触面積がが大きいので、着水時ウキとウキゴムが離れてウキゴムがウキのトップに絡むトラブルが少なくなります。

次にトップの形状なのですが現状のチヌウキのほとんどが浮きあがりを抑えるためにフラットな形状が主流です。ウキ自体を沈めるので、道糸が風やメンディングの際に引っ張られてウキがブレることも抑制できます、しかし、ウキの回収時はその抵抗があだとなり、巻き取りが重くなります。これを海中でウキを安定させるための副産物としてがまんしてもいいのですが、私の場合000以上マイナス浮力に調整するのでウキ自体が浮き上がってくることがほとんどないので、トップの丸い極磯 斬獲 の様な形状がベストではないかと思っています。

チヌ遠投釣法ウキの形状

一般的なトップのフラットな形状

トップの丸い極磯 斬獲

極磯 斬獲

 

この極磯 斬獲 見てのとおり下膨れ形状で、底面にウエイトバランサーを張るスペースも確保できます。しかしウエイトが00で約12gとチヌウキとしては使うには若干軽めなのが残念です。現状は刺し餌を重量の重い練り餌を多用する時と超遠投する以外はメインに使っています。


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ウキの形状に関するまとめ
  1. 下膨れ形状で低重心
  2. ウキの底面が平ら
  3. 糸穴が小さめ

チヌ遠投釣法 ウキの重量(ウエイト)に関して

次に重量(ウエイト)に関してですが、重ければ重いほど竿の反発力を利用して遠くに飛ばすことができますが、あまりに重いと竿がもちません。竿には皆さんご存知のとおり、錘負荷なる表示があります。遠投釣法で使用する竿の号数は0号から1号クラスとして、錘負荷は0.5号から4.0号位ですからグラムに換算すると1.875g~15.0gこの範囲の錘でしたらストレスなく扱えるということです。錘負荷の号数の0.5号から4.0号?同様に仕様表示に記載されている適合ハリスの範囲とほぼほぼ共通する数字です。この表示に関して、適合ハリスに関してはハリスの素材の進歩により低号数でも強度ありますし、錘負荷に関しても低号数の竿でもブランクスの進化により、重量のある錘を使用しても問題ないつくりになっています。設計上極端な軟調竿以外は錘負荷のリミットを超えても使用上問題がないと判断して、一応の基準として考慮すれば、15gベストな重量と思います。

チヌ遠投釣法 ウキの重量(ウエイト)は15g

15gと言いきってしまいましたが、超遠投をする場合や60チヌ狙いで大きめの練り餌を遠投する場合など、竿自体をそれに見合ったものをチョイスした場合は別としてお考え下さい。

チヌ遠投釣法 ウキの浮力に関して

今回のウキに関する理論編で最も重要な項目が浮力に関することです。ウキの重量は使用する竿でストレスなく遠投でき尚且つ練り餌の重量に負けないのであれば問題ありません。

浮力に関しては、緻密な調整が必要と私は判断しています。と言うのも今までこの釣法のウキに関するところでご説明させていただいたように基本ウキ単体で沈むものを使用します。ただ沈ませるのであれば、錘を付ければいいのですが、ぶっこみ釣り釣りではない、ふかせ釣りとして、この釣法があります。ということは撒き餌を使用して撒き餌と同調させることが必要となります。このことから撒き餌の存在しているところに刺し餌を誘導させるナビゲーターの役目をウキに課せなければならないということです。
基本は撒き餌の沈下速度に仕掛け全体を同調させることです。公表されている撒き餌の沈下速度で一番早いマルキユーの激重で10秒間に3.4mも沈みます。仮に水深10mとして約30秒で底まで着く計算のなり、着底と同時に仕掛けを回収して再度撒き餌に同調させて仕掛けを投入することは不可能ではありませんが、そのようなことはしません。ということは底に着底した撒き餌があるところに仕掛け全体を漂わせて喰わせる釣法なのです。撒き餌の沈下速度に同調させて仕掛けを撒き餌の溜まるところに誘導させるこのためのウキの浮力調整なのです。ウキ単体を撒き餌と同じ沈下速度に浮力調整すればいいのかと言えば、ウキだけの問題でなく仕掛け全体の問題になり、潮流の影響も出てきます。また風があれば道糸が沈下速度に影響する状況もあり、ウキの沈下速度を撒き餌と同じにすることで解決できません。他にも様々な要因がありウキを撒き餌が集まるところに漂わせるには、その状況に合わせた浮力調整が不可欠となります。

ですからチヌ遠投釣法のウキの浮力は例えば000がベストです。ということは言いきれないので状況に合わせたマイナス浮力のウキをセレクトして使用しています。

チヌ遠投釣法 状況に合わせたマイナス浮力のウキ

最後にウキの浮力調整の方法の関して私が行っている方法をご説明します。

ウキの浮力調整法

ウキの浮力調整には 以前投稿させていただいた チヌ遠投釣法 ウキのチューニングに関して で紹介させていただいたウエイトバランサーを使用します。
ちなみにこの時はウキの浮力に関して水深による浮力選定が基本と考えていましたが、水深も少なからず影響はあるのですが、浮力を決定するための最大の要因は潮流であると今は思っています。

用意するもの

  • 自作ウエイトバランサー
  • 海水魚用ボーメ計
  • 円筒透明容器(容量1リットル)
  • 食塩

海水魚用ボーメ計とは海水魚を飼育するときに適切な塩分濃度の飼育用海水を作るための海水濃度測定用の器具です。1000円もしません。

海水魚用ボーメ計


平尾計量器 海水魚用ボーメ計 (海水濃度測定用比重計)

円筒の透明容器は100均で麦茶なんかを入れるポットを買いました。

基準の塩分濃度の海水(食塩水)を作成

基準の塩分濃度の海水(食塩水)を作ります。ボーメ計にはボーメ計で図った時の数値(ボーメ度)と比重の換算表があります。

ボーメ度 3.0 3.2 3.4 3.6
比重 1.0212 1.0227 1.0241 1.0256

海水の比重は1気圧4度の水を1とした場合1,023ですのでボーメ度3.2~3.4が標準的な海水の比重となります。000のウキがサスペンドする比重がボーメ度6.0前後でしたので6.0からの換算表は以下となります。

ボーメ度 6.0 6.2 6.4 6.6 6.8 7.0
比重 1.0437 1,0452 1.0467 1.0482 1.0497 1.0512

今までの釣行に於いて一番使っていた比重がボーメ度6.0~7.0が中心ですこのことから基本的な000の比重のウキより若干重い目の物を多用していました。基本ボーメ度6以上の比重のウキを何個かウェイトチューニングして作ることをお勧めしますのでボーメ度6.0の標準濃度の海水(食塩水)を作ります。

この表を見て分かるように000より沈下速度の速いボーメ度7.0でもその比重は1.05程度です。道糸のシンキングタイプのPEラインの比重は1.3~1,4もありハリスのフロロカーボンに至っては標準で1.78もあります。ラインが馴染めばウキより比重があるのでウキをより沈めようという力がかかります。
この辺の仕掛けに作用する検証などは後日レポートしようと思っています。

基準の塩分濃度でサスペンドするウキを作成する。

ウエイトチューニングしたウキを基準の塩分濃度の海水(食塩)に入れてサスペンドするかを確認する。

ウキがサスペンドした状態

沈むようであれば食塩を追加しサスペンドさせその時のボーメ度をマジックでウキに書き込んでおく。

この繰り返しを行いチューニングされたウキを何個か作成します。

ボーメ計」の値を確認

簡単にウエイト調整の方法を書きましたが、非常に面倒な作業であることは確かです、市販のウキでもマイナス浮力を細分化したウキがありますが非常に高価なものです、私が実践するチヌ遠投釣法ではウキを沈めて海底を漂わせることから海底のシモリや障害物が海底に沈んでいるポイントなどではたちまちウキが根掛してウキをロストしてしまいます。この方法を取れば、形と重量が上記のようなものがあれば500円までのウキで、浮力にバラツキのあるウキでも十分役目を果たしてくれます。また、少し触れましたが、ウキより比重の重い道糸や、リーダー、ハリスの重量がウキにかかった時の検証や、基本ラインが張った状態でアタリを取る為、潮流のよる仕掛けの動きなど現在検証中の項目があり、その辺に関してはまとまり次第、投稿させていただこうと思います。