タックルインプレッション

シマノ 極翔 KYOKUSYO 08-530 

こんにちは、ぎんきです。

みなさんもご存じ今回は、シマノ 磯竿の基幹ブランドの極翔のご紹介です。NFTからの継承ブランドであり、一時は、極翔 リミテッド プロが世に出て、シマノ 磯ロッドのフラッグシップモデルとなったブランドです。現在は、シマノの基本調子であるベイシス調子の磯リミテッドがフラッグシップモデルなのですが。
現在の極翔は、08極翔の「タメて獲る」をコンセプトに仕上げられたロットで、シマノ磯ロッドの位置付けとしては、操作性重視より、パワー重視のロッドなのです。

極翔 KYOKUSYO 08-530

ちなみに説明文としては、

「タメて獲る」極翔シリーズのコンセプトは変わらず更に深化しました。いかなる状況でも粘り強くタメられるSSBD設計。スパイラルXで竿のブレを抑え且つ操作性を格段に向上。又、穂先にはしなやかさと繊細さ更には巻き込みにも強いタフテックαを採用。ウキの操作や道糸のラインメンディング等の細かいテクニカルな動作、魚への違和感のない食い込みとトータルで素晴らしい働きをしてくれるはずです。

08号
喰い渋りを攻略

捉えられなかったアタリ、それを確実に捉えられる「エキサイトトップ」。喰い渋る魚に対し新たな戦略を立てることができます。
張るのか、送るのか・・・・。
喰わせてからは鍛え上げられた粘りで繊細仕掛けをいたわりながら一気に魚を浮かせにかかります。この感覚是非味わってください。

とのこと

極翔はどんな竿なのか

メーカーの説明には極翔は一言「タメて獲る」竿とのこと。
これってどういう意味かといいますと、釣り人はロッドの余分な操作を必要とせず、ロッドをタメてれば魚が浮いてくる。いわゆるオートマ感覚の竿なのです。それを現在のテクノロジーを使って製品化したのが極翔なのです。釣りに関して魚を掛けるまでが、一苦労するところなので、いざ魚が掛かったら絶対に取りたいのが信条です。魚の大きさにもよりますし、根が張り出していてかわさなければならない場合もあるのですが、その後はタメるだけでいいのです。このオートマチックの竿に関しての物議もありましたが、本来、釣り人にとっては理想の形だと思います。でもすべての竿がこうなったら極翔1本で事足りてしまいますのでその辺はメーカーでアレンジされているのが現状です。実際、タメきれない竿もあります。シマノの竿でいうと私が持っている旧プロテックがタメきれないです。ですが、私は、この竿が、磯竿で今まで使った竿の中で一番好きです。なぜなら操作性もいいし、軽量で疲れません、調子は胴よりの調子で魚とのやり取りというのか、竿に伝わる引きの感覚が絶妙です。竿の曲がりも美しいしのですが、曲がり切った限界点で、棒のように固まってしまうのです。でも限界を知っていれば対処の方法があるので問題ないです。極翔に関してはそれがほとんどない竿だと思います。今の極翔の前のモデルの08 極翔 1.2-530を持っていました。この竿で、掛けた一気に猛突進されたカンダイを竿をタメるだけで獲ったことがあります。極翔はこんな竿だと思います。

極翔 08-530のチヌ遠投釣法に対するマッチングに関して

それでは、この極翔 08-530はチヌ遠投釣法をするのに適しているか、ですが。

スペック

■全長    5.30m

■継数    5本

■仕舞寸法  115.3cm

■自重    190g

■先径    1.0mm

■元径    24.1mm

■錘負荷   1~3号

■適合ハリス 1~3号

となります。気になるのは自重が190gとのこと磯竿としては標準的な重量ですが、軽いチヌ竿を使っている方からすれば重いと思います。実際使ってみて少ししんどいかも。

遠投性能に関して

20gほどの重量のあるウキをつけても竿自体が負けないので、安定してポイントまで投げられます。逆に10g程度のウキも大丈夫です。
PEラインの対応も、現在のところ最もマッチしているガイドである。穂先 LGST+全ピースIMSGガイドのため問題なしです。

穂先の感度に関して

私の実践しているチヌ遠投釣法では、ウキを沈めるので、アタリは穂先の動きとラインの動きによって判断します。この極翔 08-530を手に入れた一番の理由が、この極翔 08-530に磯竿として初めて搭載された穂先のエキサイトトップが気になったためです。
先日、レポートさせていただいた釣行でこのエキサイトトップのアタリ(前あたり)の出方を確認することができました。本来の前あたりの出方は、魚が、エサの近くで呼吸する息使いのような形で出るためほとんど穂先には表れないのが普通と思っています。フィールドの条件で風・波などの外的要素が非常に少ないときにラインのかすかな動きで判断するものなのですが、先日の釣行では2度続けて穂先で、前あたりをとらえることができました。アタリの出方としては、3番ガイドあたりからゆっくりもたれるような形として現れました。PEラインを使用して、若干ラインを張り気味にしていたということもあったと思いますが、この穂先に関してはラインを張り気味にしていても穂先がクッションの役目をして刺し餌まで伝わりにくいようにに感じます。
ちなみに通常の穂先とこのエキサイトトップのおもり加重10gと16gの対比をしました。

右がエキサイトトップ(10gの加重)

 

右がエキサイトトップ(16gの加重)

わかりにくいかもしれませんがエキサイトトップのほうが穂先全体が緩やかなカーブを描いて曲がっています。重量負荷の差による(わずか6gですが)穂先の変化がより顕著になっています。

エキサイトトップは

穂先でアタリをとるチヌ遠投釣法の強力な武器となる

との結論です。

取り込みに関して

次に魚を掛けた後のやり取りに関してですが、シマノの説明では極翔の調子は胴調子とのことですが、以前、ダイワの大会でシマノの社員の方と同じ磯に上がった時に雑談した話の中で、シマノの磯竿は基本先調子しか開発しないといっておられたことがありました。このブログでもコメントした記憶があるのですが、胴も曲がる竿で胴の反発力が凄まじいので、竿を操作する段階では先調子の操作性を兼ね備えているのが今の磯竿の主流となっているのです。これを胴調子というのでしょうか。特にシマノは元竿から3番まで、今ではエントリーモデル以外すべてスパイラルXを搭載しています。X45、4軸カーボンなど有りますがこれらはブランクスの外側の補強の技術であり、スパイラルXはブランクス内部構造の技術です。ですから補強じゃなくブランクス自体の性質を基本から調整出来るのがスパイラルXなのです。話が横道にそれそうなのでタックルの薀蓄に関してはまたの機会にお話ししようと思います。結論から言いますと極翔は磯竿なのでチヌ竿の胴調子とは違い反発力が強すぎる胴なのです。ですからやり取りの際ゆっくり胴に乗せながらチヌを怒らせないように取り込むのには、少し無理があります。チヌに関して、今までこの竿で3匹ほどしかかけていませんが、1匹は完全に怒らせてしまいました。もう一匹は反発力の強さに降参してきました。最初の1匹目を釣った時は竿のバタつきが非常に気になりました。ということは本来のチヌ釣りの引きを楽しみながらやり取りすることに関しては不合格と言わざる負えません。しかしチヌ遠投釣法にでは、極翔のパワーで沖で掛けたチヌをその場で浮かすことが出来ます。

極翔 08-530のチヌ遠投釣法に関するまとめ

以上のことからチヌを釣るにあたって極翔 08-530はオーバーパワーでチヌ竿に比べて持ち重りしてしんどいのですが。

シマノ 極翔 08-530は

チヌ遠投釣法のベストマッチのロッドの一つです。

最後になりますが、今年か来年に極翔のモデルチェンジがあると思います。極翔ファンとしては、非常に楽しみなのですが、このエキサイトトップ搭載の極翔がどういった展開になるのか気になるところです。0号なんか出してほしいと思います。(アテンダーみたいに)