タックルストーリー

銀狼 王牙 AGS VS 銀狼 唯牙 AGS

こんにちは、ぎんきです。

前回の投稿で、フィッシングショー OSAKA 2020で、各メーカーの今年リリースのチヌふかせ竿をレポートしました。その中で、私が最も注目していたのが、ダイワ銀狼 王牙 AGS なのですが….

手に入れてしまいました。(レポートの中では、銀狼 唯牙 AGS 競技 06-SMTもあるし、多分来年、鱗海スペシャルのモデルチェンジがあるので、それと比較しようということでしたのですが。)

銀狼 王牙 AGS 1-53・R

手に入れたのは銀狼 王牙 AGS 1-53・R メガトップモデルの1号です。号数の選択に関して、かなり悩みました。チヌふかせ釣りは軟調竿でチヌの引きを楽しみつつ、大型に関しては、強引なやり取りを避けてチヌを怒らせないように釣るのが、セオリーなので、0号のチョイスがベストと思います。先日のフィッシングショーでも、木村公治氏がおっしゃっていたのは、チヌの引きを楽しむには0号がお勧めとのことだったのですが、軟調、胴調子のチヌの引きを楽しむアイテムとして、NISSIN ゼロサム鱗 X4 04-530 を所有しているため、私が主に取り組んでいる釣法であるチヌ遠投釣法の対応を考え、遠投プラス重量のあるウキにも対応できる1号を選択しました。それと、チヌ竿として、もう1本所有している銀狼 唯牙 AGS 競技 06-50 SMT の使用において、もう少しパワーが欲しかったのと、カケアガリがきつい足場の低いフィールドでは、5mの竿のレングスより5.3mの方が有利とだと考えたためです。

銀狼 王牙 AGS 1-53

銀狼 王牙 と銀狼 唯牙の比較に関して

というわけで銀狼シリーズの王牙唯牙を所有してしまったので、その比較をしていこうと思います。まず圧倒的な違いはその価格です。ちなみに銀狼 王牙 AGS 1-53・は、83,000円 銀狼 唯牙 AGS 1-53は、49,800円 いずれもメーカー希望本体価格(税抜き)です。なんとその差は33,200円です。銀狼 王牙は、ダイワのチヌ竿のフラッグシップモデルなので、シマノのチヌ竿のフラッグシップのリンカイ アートレータ1-530が、88,000円ですからそれより5000円安いわけですけど、王牙と唯牙の差がそれほどなのかの検証していこうと思います。

スペック

これはお決まりの比較なのであまり意味がないかと思いますがとりあえず。

王牙 AGS 1-53・R 唯牙 AGS 1-53
全長(m) 5.30 5.30
継数(本)
仕舞(cm) 116 116
自重(g) 185 173
先径/元径(mm) 0.75/24.8 0.75/23.8
錘負荷(号) 1~2 1~2
適合ハリス
ナイロン(号)
0.8~2 0.8~2
カーボン
含有率(%)
99 99
原産国
(素管)
(組立)
日本 タイ

同号数での比較なので、違いは、自重と元径位ですが、元径は、王牙がセパレートグリップを採用しているので太くなるし、自重も増えます。唯牙は海外生産によるコスト削減で製品価格が安くなっていることも考慮されます。

ブランクス

ロッドのブランクスは王牙も唯牙もカーボン繊維は東レTORAYCA-T1100Gを使用し、レンジ(樹脂)は東レの高強度樹脂の#2574を使用しているので、ブランクスの材料自体は共通のものだと思います。唯一の違いとしては、王牙SVFカーボン唯牙HVFカーボンとのことですが、カタログ上の説明ではその違いは下記のようになっています。

  • SVFカーボン
    HVFより更にレンジ量を減らすことで、より多くのカーボン繊維を密入し、軽さ、パワー、細身化を実現。
  • HVFカーボン
    レンジ量を減らしてより多くのカーボン繊維を密入し、軽さとパワーを両立させた高密度カーボン。

SVFカーボン王牙の方がカーボン繊維が多いのでカーボン含有率が高くなるはずなのですが、共に99%の含有率です。たぶん四捨五入して、同じ含有率になったと仮定して、最大でも0.5%以内のカーボン繊維量の多さに過ぎないので、銀狼王牙唯牙のブランクスの大きな違いがないと思います。

ガイド

ガイドに関しては双方ともAGSガイドなのですが、王牙は#1の誘導2番ガイドから誘導5番と#2の固定ガイドの6番と7・8番の誘導ガイドの計7個のAGSガイドを搭載しています。王牙AGSガイドのリングはNリング(シリコナイト)を採用しており、SICよりリングの内面積が30%以上アップされてラインの放出性の向上が図られています。唯牙の方はAGSガイドメガトップモデルは、#2の固定ガイドまでの5個、SMTモデルが4個搭載され、ガイドリングはSICのものです。

銀狼 王牙 AGS ガイド

 

銀狼 唯牙 AGS ガイド

分かり辛いかもしれませんが、銀狼 王牙のリング外径の方が少し大きく、リングの色が薄い様です。リングの内径の投影面積の大きいリングの採用はシマノでは、チヌ竿に於いて2018年リリースの鱗海 マスターチューン と 昨年リリースされたリンカイ アートレータに採用されており、こちらは Xリング高靭性セラミック薄型リングとして約20%の投影面積の拡大化がされています。
各社のカーボンガイド関してガイドの傾斜による投影面積の減少を補うためと、さらなる軽量化を目指している様です。ダイワのチヌ竿に関しては、この王牙 AGSが、Nリングの初採用となります。
私としては、FUJIIMガイドが最強と思っているので、軽量化のガイドの採用するのでしたらカーボン強化樹脂を使用したC-IMガイドでいいのではと思うのですが、より軽量化を求めるのでしたら、まだリリースはされていないだ円のトルザイトリングを装着したC-IMガイドがベストと思います。
ガイドの関しの薀蓄は、またの機会にして、銀狼 王牙銀狼 唯牙の違いに関してもう一つ、カタログには記載がないのですが、トップガイドの形状が明らかに違います。

銀狼 王牙 AGS のトップガイド

 

銀狼 唯牙 AGS  のトップガイド

銀狼 唯牙のトップガイドは、ダイワのパーツリストからFUJIの T-LGST LGトップなのですが、王牙の方は画像をみて分かるようにリングの高さがティップガイドと揃うようにパイプ部分から斜めにカットが入ってリングの位置が高くなっています。パーツリストがまだ出ていないのですべてのモデルに採用されいるかは分からないのですが、T-KGST KGトップ(アロワナ トップ)であることは確かです。一番最近に出た、ダイワの磯竿の制覇 AIRMASTER AGS のパーツリストを見てもT-LGST なのでこの銀狼 王牙 AGSKGトップの初採用と思われます。

というわけで、ガイドの関しては、当然のごとく最先端の物を搭載している2020 王牙 AGSなのですが、コスト的に計算すればNリング採用AGSガイドが1,800円SICリングAGSガイドが1,400円(#1誘導)#2の固定ガイドNリング2,000円 SICリング1,500円 6・7番に関しては王牙AGSガイドなのでそれぞれ2,000円と2,200円 唯牙はIMガイドなので、各850円となります。トップガイドに至っては、KGトップLGトップも価格は同じです。(ひょっとしたら表面加工が若干違うので少し高いかも知れません)約5,000円ほど王牙の方がコスト高になります。

リールシート

リールシートに関しては王牙 唯牙ともスクリュータイプタイプのエアセンサーシートを採用しています。王牙に関しては磯竿で昨年の秋に発売された制覇 AIRMASTER AGSと同様のロングフード仕様で、ネジ部が手に触れない形状のもの。

銀狼 王牙 AGS エアセンサーシート

唯牙に関しては2016年デビューのトーナメント ISO AGSと同型状のものを採用しています。

銀狼 唯牙 AGS エアセンサーシート

王牙に関しては最新の形状のリールシートを採用しているため言うこと無しなのですが、唯牙のリールシートに関しても握りやすく何よりトーナメント ISO と同型状なのでデザイン的にも申し分ないと思います。

オレンジブライトコート

2020銀狼 王牙のセールポイントの一つとして穂先でアタリをより取りやすくするために採用された穂先の蛍光オレンジ塗装がこのオレンジブライトコートです。ウキを沈めて釣りをする私の釣法の於いて、穂先の視認性が良くなるということは非常に喜ばしいことです。今はまだ実釣未実施の段階なのでどの程度効果があるか定かではないのですが、通常の穂先で、光の加減で非常に見にくく感じたこともありますし、夜明け前の薄暗い状態でにおいて、どの程度確認できるか楽しみです。しかし、実物を手に取って、2つほどの問題が。

オレンジブライトコートの問題点
  1. コーテイングが厚く塗られすぎて穂先が太くなっている
  2. ガイド合わせマークが赤色のためガイド合わせラインが分かり辛い

オレンジブライトコートとガイド合わせマーク

①も②も上の画像を見ていただければ分かるかと思いますが膨張色のため太く見えているのではなくトップガイドのすぐ下をノギスで測ってみたところ1mmありました耐久性と柔軟性を考慮されてコーティングされていると思いますが、穂先の感度に影響が出ないことを祈るばかりです。②のガイドラインが見辛いことも2番ガイドを確認いただければ分かると思います。トップガイドからのガイド合わせなのでトップガイドの方向を見ながら合わせていけばいいのですが、ガイドラインがあるのにこれはないです。
あえてもう一つ今回は、メガトップモデルを購入したので影響はないのですが、SMTモデルのメタル部分に塗装が施されていないのが、どうかなぁという点です。オレンジブライトコートが厚塗りの必要があるため、極細のメタル部に塗装すると感度が損なわれるのか、メタル部に塗装が乗り辛いか定かではありませんが、SMTモデルに関してはアタリの現れはメタル部分に僅かな変化でとらえることだと、使用した実感として持っています。この部分を明確にキャッチするためにはメタル部分こそオレンジの見やすいカラーであることが重要なのではと私は思います。

外装&付属品

銀狼 王牙 AGS銀狼 唯牙 AGS の外装面の比較に関して、この点で銀狼 王牙はフラグシップモデルたる要素が感じられるところではないかと思います。その一つはグラフィックと塗装の違いです。王牙に関してはグラフィックデザインの美しさがあげられます。カラーリングに関しても光の方向で変化するマジョーラカラ―、元竿にはラメをふんだんにあしらって豪華極まりないものとなっています。表面のコーティングに関しては、唯牙には未装着の高耐久撥水スーパーコートが#1~#4まで施されていますし、エンドグリップとその周辺の金属部品に関しても唯牙にはない装飾が施されています。王牙にはそれなりの風格をイメージして作られていると思います。付属品の竿袋に関しても、ニット製のロゴ編み込み柄の物を使用しているので十分ユーザーのニーズに合っているのではと思います。以前のナイロン製にケースとは違います。MADE IN JAPANであることとチヌ竿のフラッグシップモデルであることを考慮すれば価格に対する完成度それなりではないかと思います。
一方、唯牙に関してですが、現状のチヌ竿に於いて平均以上の実力があり、コストパフォーマンスに於いても競合するチヌ竿と1ランク安めの価格帯で実力はそれ以上の要素があると私は思います。各パーツも王牙と比較して遜色のないもなですし、ブランクスに関してもチヌ竿としてベストマッチのTORAYCA-T1100Gを採用しており、粘る調子も非常に好感が持てます。なぜか、がま磯 黒冴鱗海シリーズより人気がないのが、悔やまれますが。私としては超お勧めのチヌ竿です。

銀狼 王牙 AGS 1-53・R 購入のきっかけ

先日のフィッシングショーでたまたま木村公治さんの説明を受けたことがきっかけになってしまいました。一番パワーのある1.2号を曲げさせていただいたときの曲がりの中心が元竿まで移動するスムーズさと曲がりの美しさに触手が動いてしまったのは言うまでもありませんが、それまでの私が所有するチヌ竿の布陣として、遠投大物対応のシマノ 極翔 08-530と穂先の感度重視のダイワ 銀狼 唯牙 AGS 競技 06-50 SMT 軟調 超同調子で引きを楽しむためのNISSIN ゼロサム 鱗 0.4-530それぞれ満足の行くアイテムなのですが、この銀狼 王牙 AGS 1-53・Rが加わりその優しいパワーと粘りを高次元のバランスで実現という感触を確認するために実釣インプレをアップいたします。実釣して唯牙との差を感じることができればいいのですが。購入きっかけのもうひとうの理由としては、某ショッピングサイトのポイント還元の高さも一つの要因であったことは確かです。3月いっぱいで終わってしまうので、購入をお考えの方は5の付く日に注意して下記より購入してはいかがかと思います。