こんにちは、ぎんきです。
今回、ご紹介させていただくのは、ダイワ 銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTです。銀狼 唯牙は2018年にリリースされたダイワのチヌふかせ釣りブランドの銀狼シリーズのロッドです。
銀狼シリーズのロッドとしては、現在、銀狼、銀狼 冴、この銀狼 唯牙 AGS、銀狼 王牙 AGS の4モデルがリリースされています。ハイエンドモデルが銀狼 王牙で2番目の位置付けとして、銀狼 唯牙があります。
他メーカーのチヌ竿の比較としては同年にリリースされたシマノの鱗海マスターチューンがライバルになるかと思います。
私がこの銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTを使ってみようと思ったのは、現在の実践しているチヌ遠投釣法とのマッチングを確かめようと思ったためです。この釣法は100%穂先でアタリをとります。なおかつPEラインを使用するためガイドにラインが絡みにくいのがベストです。この銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTは製品名にもある様にダイワ独自のテクノロジーであるSMT(スーパーメタルトップ)が搭載され、穂先から2番の固定ガイドがAGS(エアガイドシステム)が搭載されており、穂先部分に於いては、この条件を満たしていると思ったからです。しかし、実際使ってみないと何とも言えません。特にメタルトップのアタリの出方がどのようなものなのか、スーパーメタルトップの説明文では、手元に響くほどのアタリの伝達性も兼ね備えるとのことですが、5m先の穂先のアタリが手元まで来るというのは少し疑問がありますが。
また、穂先部以外の竿全体における、キャスティング時の遠投性やコントロール性、5m近い長ハリスを使用するので竿のレングスとのバランス、魚を掛けた時の取り込み時の性能などを解説させていただきます。
まずは全体的なスペックを紹介させていただきます。
スペック
商品名 銀狼唯牙 AGS 競技06‐50SMT
- 【標準全長】 5.00m
- 【仕舞寸法】 116cm
- 【継 数】 5本
- 【標準自重】 167g
- 【先 径】 0.6㎜
- 【元 径】 23.6㎜
- 【錘 負 荷】 1-2号
- 【適合ハリス】 0.6-2号
どのメーカーもスペックの表示に規定があるのか上記の項目で表されていますが、ここで注目すべききは全長と仕舞寸法それと自重かと思います。
全長5mはチヌ竿としては短い部類に入ります。私が実践しているチヌ遠投釣法では基本ハリスを3ヒロ(4,5mほど)取ります。私はハリスの長さはキャスト時着水したウキと刺し餌のインターバルと考えていますので、このインターバルが短ければ、刺し餌とウキとの直線状態を作る際に刺し餌に余分な動きが加わり魚に警戒されてしまいます。できるだけ長いのがいいのですが、あまり長いと直線状態が作れないのでハリスの長さは5m前後がベストだと考えていますし、長いとそれなりの長さの竿が必要となるし、刺し餌をウキより先行して沖に着水させなければならないので、より重量のあるウキも必要となり現実的ではありません。ですから私は、基本的に5.3mの竿のレングスがベストで、それより短いと長ハリスをうまくキャストできないし、取り込み時にも、仕掛けを巻き込んでしまい穂先を破損するリスクが大きいという考えでいたためこの銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTに関して、若干、躊躇した項目です。
しかし、実際使用してみて、3ヒロのハリスの長さでも問題なく遠投可能ですし、低い足場からの取り込みに関してもラインを巻きすぎることなく大型のチヌでもスムースに取り込むことができました。というのもこの銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTに関して以下の要因が可能にしたためと思われます。
5mのレングスで長ハリスでも遠投可能な要因
穂先部分の#1の長さが約70cmで、#2以降が1m以上あるため、キャスト時のたわみ量が少ない
キャストの方法にもよりますが、私の場合、今まで使用したチヌ竿の中で一番キャストし易い部類に入ります。これも#1が短い要因と思いますが、キャスト時の竿ぶれが少なく、コントロール性も非常にいい印象でです。
次に自重に関してですが、所有していたチヌ竿の旧シマノ鱗海アートレータ06-530 172g・ニッシンゼロサム鱗04-530 175gでしたので、それより軽く、現在のチヌ竿としては標準的な重量ですが、穂先がメタルのためカーボン穂先より重量があり、ロッドの場合、先端が重いと持ち重りします。メタルトップの竿のインプレでよく言われていたのが持ち重り感がひどいというレポートをよく耳のしましたが、全くこの竿に関しては感じません、軽量のガイドであるAGSの搭載と若干短めの5mのレングスのためなのか、よくわかりませんが、持ち重り感は皆無です。
穂先の先径に関して、メタルトップですので、メタルの無垢の素材(チタン合金)を使用しているので、カーボン穂先ではありえない0.6㎜の先径となっています。
パーツの検証
穂先(TOP)=スーパーメタルトップ(SMT)
冒頭にもお伝えしました通り、私が実戦しているウキを沈めてアタリをとるチヌ遠投釣法に於いてはほぼ100%穂先でアタリを取ります。沈め釣りの基本はラインを張らず緩めずの状態で刺し餌に余分な動きが出ないように流していくことが基本なのでラインが緩んでいる時にはラインが走る動きでアタリを感じると思いますが、私の場合、穂先にテンションが掛かる手前の状態でライン自体は張り気味でアタリを取るようにしています。ですから穂先の感度やアタリに対する表現力を重要視しています。なので、SMTのアタリの現れ方がどのようなものなのか非常に興味がありました。
スーパーメタルトップ(SMT)の外観
上の画像のシルバーの部分が超弾性チタン合金の部分でカーボンチューブラーの本体に刺し込んで特殊な加工で接合しているとのことです。シルバーの部分(チタン合金)は約45㎜ほどですが、トップガイドに埋め込まれている部分と穂先本体に埋め込まれている部分を含めると50㎜位だと思わます。画像を見てお気付きの方も居られるかと思いますが、メタルの接合部からガイドの方向に若干曲がっていることが確認できます。竿を伸ばして穂先を見るとその曲がりはより顕著に感じられます。使用していてメタル部分に負荷が掛かって曲がることがあるとのことですが、メタル部分はまっすぐなのですが接合部分からガイド方向にずれている感じです。この件に関してダイワのお客様センターに問い合わせをして確認したところの回答は、スパーメタルトップの製造工程でトップの接合の製造工程が手作業のためすべての製品で、完全にまっすぐな穂先として提供することができないので、管理基準に合格したものを出荷しているとのことでした、その基準がどれくらいの曲がりなのかの回答は得られませんでしたが、曲がりが気になるのならば、購入された釣具店かダイワまで送っていただければ確認するとのことでした。(送料はお客様負担)
スーパーメタルトップの穂先に関してまっすぐなものも存在しますが、若干曲がっている製品もあるという見解になります。長竿の先端が若干曲がっていた場合わずかな曲がりでも気になりますが、私としては、使用に問題がないので良しとすることにしました。スーパーメタルトップのロッドの購入を検討され、このことを気にされるのでしたら、店頭で穂先の曲がり具合を確認されての購入をお勧めします。
スーパーメタルトップ(SMT)のアタリの出方
次に、実釣でのアタリの出方に関してですが、使用する刺し餌の種類によって当然アタリの出方は変わってくるのですが、基本的な穂先の表現としては、上記の外観画像のシルバーの部分で表されます。僅か50㎜の全長における、ストロークの動きなので、前あたりとして穂先のメタル部分がカーブして数ミリ動く形で表現されます。対照的なのは極翔 08-530のエキサイトトップとの違いです。エキサイトトップの場合はトップガイドから2番のガイドまではまっすぐな状態で2番と3番が曲がるため前あたりでの穂先の動きが大きく表現されます。アタリの出方が大きいほど分かりやすいのは事実なのですが、特記すべき部分はSMTの場合波や風という自然状態の変化による穂先の動きと魚が触った時の穂先の動きが明らかに区別できるということです。先端のメタル部分の感度がいいのと、僅か50㎜の部分ですが明らかにカーブするため判断することが出来ます。しかし集中して穂先を見ていないと僅かな変化なので見落とす場合があり、すでに刺し餌を取られて根掛してしまったことや、居食いで喰っていたこともありました。上記はチヌも前あたりに関しての穂先の変化なのですが、チヌに限っても捕食の仕方はまちまちですし、刺し餌の種類によっても変わってくるので、今後分類して釣行記などでお伝えしようと思います。今のところスーパーメタルトップの説明にある手元に響く程のアタリ伝達性に関しては感じていないので、チヌ竿に関しては期待しない方がいいと思います。(長竿の竿のたわみで打ち消されるためかなぁ)
スーパーメタルトップ(SMT)のメリット&デメリット
メリットに関してはカーボン穂先と比較して明らかに感度がいいことは使用して実感した面ですが、超弾性チタン合金なので折れないとまでは表示されていませんが、カーボンに比べて著しく折れにくいことは確かだと思います。このことはメタルトップの最大のメリットとって過言ではないと思います。カーボン穂先の場合、私自身何度か経験したことなのですが、折れに至らなくてもカーボン自体が繊維のためささくれてしまうことがありました。メタルの場合、金属なので繊維がささくれることはないので上記のことはあり得ないと思います。
しかし、オークションに出品されているメタルトップの竿で穂先の詰めありなどと言う記載の物を見たことがあり、折れるんかい、と、思ったこともありましたが、ガイドの接着に関しては特殊な接着材が必要とのことですのでメーカー修理に出して穂先を詰めたのなら問題ないですが、ユーザーが自ら修理したものならば問題ありと思います。
反面、デメリットに関しては、上記の万が一金属疲労で穂先が折れた場合、メーカーの修理に出さなくてはいけないことと、穂先のみを取り寄せて自ら修理できないことです。保証期間内ならまだしも保証が切れていたならば、穂先自体の価格が2万円以上とのこと銀狼が1本買えてしまいます。
それと私が感じる最大のデメリットは、超弾性チタン合金穂先の温度変化に関してです。メーカーでは、スーパーメタルトップは、低温環境下で弾性が低下する特性があります。5°C以下の環境では弾性が徐々に低下し、0°C以下の環境では弾性低下が著しく穂先機能を失う恐れがあります。(気温上昇により本来の特性にもどります)とのこと、零下環境ではご使用にならないでください。ですって、寒チヌ釣りの場合、気温が5℃を下回ることは十分想定出来ますので、この条件での釣行に使用して検証したいと思っていますので、釣行記にレポートいたします。
メリット
- 感度がいい
- メタル部分がほとんど折れない
デメリット
- 自らのガイド交換が不可能
- 低温環境で弾性が低下する
以上が私の見解ですが、一般に言われている先端に重量のあるメタル部分がついているので持ち重り感があるとの見解に関して、この銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTに関しては私自身感じませんでした。
ガイド=エアガイドシステム(AGS)
各メーカーの磯ロッドに関して、昨今トップから#2のガイドにグレードの高い機種から各社のオリジナルのカーボンガイドを搭載されたものがリリースされてきました。ダイワではエアガイドシステム(AGS)、シマノではXガイドがこれに当たります。竿のパーツ、特にガイドに関しては、ほとんどのロッドメーカーが富士工業製のガイドを使用していたと思います。実はリールシートに関してもそうです。私にとっては、ちょうど磯釣りを本格的に始めようと思った時期にIMガイドが徐々にハイエンドモデルに搭載されてリリースされていた時期で、それまでルアーフィッシングをメインの釣りをしていたので、振出竿のガイトのイメージがなんか今一つような印象を受けていたのですが、このIMガイドの登場によって一新されました。いままで直角にセットされていたガイドに傾斜が付き、傾斜が付くので丸型リングだとリングの高さが低くなるのでなんとリングが楕円と言う糸がらみが減少し道糸の抵抗を保持するもので、トップガイドの関しては直角になっているのですが、ななめのフレームがあるので、糸がらみが軽減されていという優れたガイドです。カーボン素材の成型技術の進化により金属より軽量化がはかれ、なおかつ強度を十分保つことが出来る。これを開発しリリースするのがメーカーの使命なんでしょうか、今のところ磯ロッドの各社のオリジナルカーボンガイドに関しては未完成の域であると私は思っています。と言うのも円形のリングに傾斜を付けてセットするとリングの高さが低くなってしまい道糸の抵抗が大きくなります、もう一つ軽量化、持ち重りの軽減を目的とするならば、トップガイドこそカーボン素材の軽量化されたものでないとだめじゃないかと思います。(特にシマノのトップガイドはいただけません)私は磯ロッドのベストガイドはIMガイドと思います。(C-IMSG・TC-IMSGに期待し、カーボントップガイドが出れば別です。)
話は横道にそれてしまいましたが、今回のインプレの銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTにはAGSが搭載されています。IMガイド搭載の物に比べて軽量化は1gぐらいかと思います持ち重り感に関しては不明ですが、特記したいのはその形状ではないかと思います。
上の画像を見ていただければ分かるのですがブランクスとの接合部分が滑らかなカーブを描いているためラインの抜けが良く糸がらみしにくい形状となっています。実際の使用に於いても強風下の条件で2番ガイド以降の糸がらみは現状一度もありません(トップガイドの糸がらみは何度かありました)
ガイドのリングに関しては、傾斜ガイドにもかかわらず丸型のリングを採用しているので、SIC楕円リングを採用しているIMガイドに比べ、リングの投影面積が小さくなって道糸がガイドを通る抵抗が大きくなります。しかし、実釣に関してい道糸の抵抗が大きいと感じることは有りません。自分の釣り自体PEラインの06号をメインに使っていることとウキ止めを使用していないためかもしれませんが、強いて言うならば道糸とリーダーの接続部がガイドを通過した時に影響が出ているかもと言うところです。上位機種のトーナメント ISO から内面積が30%以上拡大したNリングを採用しているのですが、王牙も含めて銀狼のAGSはSIC円形リングの仕様となっています。
余談なのですが、上のの写真を見ていただけたら分かるのですが、ガイドの側面のAGSとっ鮮明にプリントされています。最初、ロッドを手にして確認した時にあまりにも小さすぎてガイドの横にゴミか傷が付いているかと思いこすって確かめたほどです。この辺りダイワのAGSに関する意気込みが感じられるところです。
リールシート=エアセンサーシート
銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTのリールシートに関してはスクリュータイプのリールシートが採用されています。
ここ最近、リリースされる磯ロッドのほとんどがスクリュータイプのリールシートを採用されています。ガイドのところで少し触れましたがロッドのリールシートに関しても富士工業のOEMがほとんどだと思います。この銀狼 唯牙に関してもスクリューのホールド部分にFujiのロゴが入っています。ダイワに関して、振出竿でスクリューシートを採用しているのは、今のところハイエンドモデルが中心となっており(2号までの低号数に関して)、形状としてはハイエンドモデルのトーナメント ISOもこの銀狼 唯牙に関してもほぼ同じ形状です。スクリューシートの利点はリールをしっかり固定できる点で、デメリットは若干重量が増すことでしょうか、しかしデザイン的な要素が一番で、思ったより磯振出竿への普及が遅いのは、このタイプの竿を使用するユーザーの嗜好ではないかと思います。今では、振出竿のスクリューシートもユーザーに受け入れられているので、ニューモデルに関してはほとんどこの形になると思います。グリップの形状も各社趣向を凝らされて握りやすく操作しやすい形状となっています。この銀狼 唯牙に関しても適度な盛り上がりがあり手になじむ形状となっています。
その他パーツ
竿袋
竿袋に関してはこのクラスに珍しいニットの竿袋が付属しています。シマノも以前は、ミドルクラスの竿でもニットの竿袋が付属していましたが、今は薄いジャージの竿袋になっています。逆にダイワは、ミドルクラス以下はナイロンの竿袋でした、この銀狼唯牙に関してはニットの竿袋を採用しているので、竿に愛着のある私にとって喜ばしことです。
トップカバー
こちらも富士工業のOEMの様です。シマノのXガイドのカバーもそうですが、IMガイド用の富士工業のIDTCとは別の形状になっています。形はともあれ穂先を保護してもらえてガイドへのライン通しがスムーズに行われれば言うこと無しなのですが、早朝の糸通しバーの穴へラインを通すのが年齢のためかなかなか手こずります。
穂先の保護に関連してですが、
上の画像の青緑色の樹脂はいただけません。先のSMTの曲がりに関してダイワに問い合わせした時に確認したところ、通常使用時にはずしても穂先の破損はしないとのことでした。
ブランクス&調子
ブランクス
銀狼 唯牙 AGSのブランクスのカーボン素材は東レトレカT1100Gが使われています。この素材2016年頃からリリースされた磯竿から使われて来たように記憶していますが、先日、投稿させていただきました。 シマノ FIRE BLOOD について の記事で少し触れましたが、どちらかといえば中弾性のカーボン素材になります。基本的に弾性のの高い素材は価格が高いので、ハイエンドクラスの製品に使用され、細身に設計され、尚且つ軽量化し、反発力の高いロッドとして製品化されます。トレカT1100G自体、たぶんですが、原材料単価は、今までハイエンドクラスに使用されていた高弾性カーボン素材より安価なものと思います。ですから昨年リリースされたミドルクラスのロッドに多く使用されていました。高弾性の素材は、ブランクスに張りが出てしまいチヌ竿のような同調子の竿に扱い辛いのですが、このトレカT1100Gは、剛性と粘りが特徴のブランクスのため、チヌ竿や今、主流の胴調子の磯竿に最適の素材ではないかと思います。胴調子の竿は、操作性に欠点がありますが、トレカのもう一つの特徴であるカーボン繊維を結合させる樹脂に先端のナノアロイテクノロジーの#2574を使用し、強度を向上させているため適度な張りがあり、操作性の向上を果たしています。また、もう一つの胴調子の欠点であった、径の太い元部が曲がることによってブランクスのつぶれが発生しやすく、曲げすぎると竿の弾力が無くなり棒になってしまう点が、強度強化により、この限界点が高くなっていることがあげられます。以上のことからトレカT1100Gはチヌ竿のカーボン素材としては、ベストマッチの素材ではないかと思います。(単純に素材のみで強度を確保しているのではなくダイワのテクノロジーであるX45やV-JOINTOなどの複合的なロッド設計で生み出されている調子であることは言うまでもないのですが)
銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTの調子に関して
基本的にチヌ竿なので胴調子なのですが、この銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTに関しては、競技とネーミングにも入っているためか操作性を重視した設計になっているようで、魚を掛けた時の胴の曲がりが、若干マイルドになっているのではと思います。使っていないので定かではないのですが、同じ06号でもメガトップのスタンダードモデルのほうがより胴が曲がる設計ではないかと思います。ちなみにダイワへ問い合わせをしたときに聞いてみたところ設計が全く違うので穂先をメガトップに交換することはできないと言っていました。まぁ当然ですが。軟竿で胴までしっかり曲げて、引きを楽しみたい方はスタンダードモデルの0や00号をお勧めします。私のように遠投+コントロール+穂先感度重視の釣りでしたらベストマッチかと思いますが。
銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMT まとめ
銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTに関して、上記で解説させていただきましたように、キャストからラインメンディングの操作性に関しては、さすが競技モデルの名にふさわしくレベルの高いものに仕上がっています。ウキを沈めてアタリを取る釣釣法に於いて、多少慣れは必要ですが、SMTの感度によって前あたりの微妙な変化にも対応できます。ウキを沈めるチヌ遠投釣法をメインにする私にとっては非常に強い味方となってくれるロッドといえます。一方、魚を掛けてから取り込みに至る過程の関してですが、若干パワー不足を感じます。チヌとのかけ引きに於いて、チヌを怒らせず均衡状態を保ちつつ竿をためることに関して、さすがダイワが磯竿全般にメインの調子としている粘り調子が継承されているためか、重量のある引きに対しても追従して粘りを発揮してくれますが、勝負に出ようとしたときにブランクスの反発力がいまいちなのか、ロッドのねじれが発生しているのか定かではありませんがなかなか魚を浮かすのに苦労します。じっくり魚の体力を消耗させながら引きを楽しむのがチヌりの楽しみでこれでも満足ですし、実際この竿で、使用して2か月ほどで年無し2匹を含む40cm以上のチヌを2桁、獲っています。その中には自己最高の53cmの年無しも含まれています。しかし競技会や、障害物の多いフィールドの於いては出来るだけ早い段階で魚を浮かせることが必要となるので、状況に応じてはもう少しパワーが欲しいのは事実です。これは、銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTに限ってのパワーなので、銀狼 唯牙には号数のバリエーションがあるので、パワーを求められるのであれば1号を選ばれたほうがいいかと思います。
今回、ダイワ 銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMT に関しての投稿をさせていただいたのですが、SMT、AGS、ナノアロイテクノロジー、など先進の技術がてんこ盛りのロッドで、現状では、最先端のチヌ竿とって過言ではないものと思います。しかし、チヌふかせ釣りに関して、その釣法に多種多様なものがありますし、フィールドに関しても様々シチュエーションがあるので、必ずしも合致しないのですが、この銀狼 唯牙 AGS 競技06-50SMTは、私が主に行っているチヌ遠投釣法に於いて、非常に評価すべき竿の一つといえます。
- 操作性が良く遠投のコントロール性能がいい
- ウキを沈めてアタリを取る釣法のためSMTが非常に強い味方になる(アタリの出方に慣れが必要)
- PEラインの使用が必須なので、AGSのガイド形状が穂先に絡みにくい形状のため穂先への糸がらみが軽減される。
というところでしょうか、ウキであたりを取るのならSMTは無用の長物になるかもしれませんし、低温に弱いデメリットもあります。AGS に関しても完全な軽量化(一番重さを軽くすべきトップガイドがカーボン化されていない)と、ガイドの傾斜に伴うガイドリングの投影面積の減少の対策がなされていない面などあります。また、ブランクスのリフトパワーがもう少し欲しいところですが、銀狼 唯牙 シリーズにはパワーのあるモデルもあるしSMTが不要ならばスタンダードモデルあります。基本的なダイワが提唱している。ナノアロイテクノロジーの粘靭ブランクスはチヌ竿の調子としては満足いくものであると思いますので、銀狼 唯牙 シリーズは、お勧めのチヌ竿と思います。