チヌ遠投釣法

チヌ遠投釣法 理論編 1 仕掛け

こんにちは、ぎんきです。

チヌ遠投釣法に関して、ぎんきのブログでは、立ち上げ時に、タックル・仕掛け・エサ・フィールド・テクニックに関してお話しさせていただきましたが、今回、解説イラストを交えて仕掛けの水中のイメージの説明をさせていただきます。またウキ止めや水中ウキを使用した仕掛けとの対比も解説いたしますので、チヌ遠投釣法の仕掛けの理論をご理解いただければと思います。

チヌ遠投釣法仕掛け着水からの水中イメージ(1)

まず、私が実践している遠投でのチヌふかせ釣りの基本的な仕掛けで、刺し餌をオキアミ・コーンなど軽めのエサを使用した場合の仕掛けの着水から刺し餌が沈降していくイメージの説明です。

この仕掛けに関しては、チヌ遠投釣法の仕掛け編でお伝えした仕掛けとしますが、改めて仕掛けの内容をお伝えしますと下記のようなものとなります。

道糸  PEライン(シンキング)0.6~0.8号
リダー フロロカーボン 1.5号 PEラインにFGノットで直結して5ヒロとる
ハリス フロロカーボン 1.2号 3ヒロ以上
ウキ  中通しの円錐ウキ 重さ15g以上で底が丸い形状。浮力はマイナス浮力
ガン玉 ハリから50cm離してG5を1個のみ打つ
サルカン 極小サルカンを使用しリーダーとハリスを繋ぐ
潮受けウキゴム サルカンとウキのクッションとしてⅯサイズを使用
ハリ チヌバリ2号沈め釣り用の重量バリ
仕掛けのポイントとしては、ハリからウキまでが張った状態で撒き餌の沈下速度と同調することがキモとなります。
そのために着水時のハリスの残浮力を打ち消すためのガン玉としてハリ上50cmに打っています。さらに重要な項目としては、ウキの浮力設定があります。ウキの沈下速度は浮き本体が潮流の影響を受けることと、道糸の残浮力と道糸自体が潮流や風の影響で変化するため、ウキ単体の浮力を調整する必要があります。この調整に関するお話は、別のレポートとして説明させていただこうと思いますので、今回は、理想的な状況にウキの浮力をチューニングした前提でのイメージの説明をさせていただこうと思います。
下の図は仕掛けの着水直前から仕掛けが撒き餌の沈下速度に同調して沈んでいくイメージです。

それでは、順に説明します。

①~④に関して仕掛けをキャストしてウキが着水する直前に道糸の放出を止め、刺し餌をウキより沖に着水させます。この時、必ず刺し餌が着水した波紋を確認してください。遠投しているので刺し餌にかなりの抵抗が掛かって刺し餌が外れていることがあるので、波紋が確認できなければ、キャストし直す方がいいと思います。理想は刺し餌の着水した時点で刺し餌とウキが一直線で張られているのが理想なのですが、ハリスを3ヒロもとっているので着水を確認したらハリスに張りを持たせるためラインを引き戻すようにします。

⑤・④でハリスに張りを持たせたあとはラインのテンションを緩めてウキがある程度沈むのを待ちます。この時に追い打ちの撒き餌を刺しエサのポイントに打ちます。⑤の状態にになればラインメンディングします。ウキが沈んだ状態では、ある程度道糸を張ってもウキがアンカー代わりになっているのとリダーのフロロカーボンが沈んでいるので、刺し餌にあまり影響がでません。刺し餌とウキと穂先の3点が直線状態になる様にメンディングします。

⑥の状態を保ちつつアタリを待つようにします。

イラストを見てわかるようにイメージとして横方向の釣りといえます。

チヌ遠投釣法仕掛け着水からの水中イメージ(2)練り餌

刺し餌を練り餌にした場合、エサに重量があるので下記のイラストのようになります。

①~④に関しては上記と同様ですが、練り餌をウキより沖に飛ばすには、練り餌の重量に負けない重い目のウキが必要となります。

⑤ 重量の重い練り餌の場合は、ウキの沈下速度より早く沈むためキャストして練り餌が先行して沈むのを邪魔しない様、軽い刺し餌を使用した時よりもラインをたるませてウキの中心に道糸(リダー)通すイメージで練り餌を自然に沈ませるようにします。

⑥ 練り餌の場合は着底するのが速いので、⑤の状態をイメージして、着底したと感じたらラインを張り気味にするようにします。練り餌を底付近を転がすイメージで、時々竿先を上げて誘いをかけるようにします。

ウキ止めを使用した半誘導仕掛けの着水からの水中のイメージ

上記のチヌ遠投釣法での着水からの水中イメージとの対比をしていただくため、ふかせ釣りの基本的な仕掛けであるウキ止めを使用した半誘導仕掛けの着水からの水中イメージを解説します。

仕掛けの内容としては以下のようになります。

道糸  PEライン(シンキング)0.6~0.8号
リダー フロロカーボン 1.5号 PEラインにFGノットで直結して5ヒロとる
ハリス フロロカーボン 1.2号 2ヒロ位
ウキ  中通しの円錐ウキ(通常アタリが出やすいように小粒のものがお勧め) 浮力はBとします
ガン玉 浮力調整用のガン玉Bをサルカンの下の付け、さし餌とハリス残浮力のバランスをとるためハリから50cm離してG5を1個のみ打つ(任意)
サルカン 極小サルカンを使用しリーダーとハリスを繋ぐ
潮受けウキゴム サルカンとウキのクッションとしてⅯサイズを使用
ハリ チヌバリ2号

補足ですが半誘導の仕掛けですので、上記の仕掛けにウキ止めを使用しますのでリーダーを半誘導部として、任意のところにウキ止めと誘導部にシモリ玉を入れます。イラストは誘導部を2ヒロ程とったイメージとしています。また、半誘導仕掛けの場合、道糸は通常のナイロンの道糸の方がいいかもしれません。

着水時はウキの浮力調整用のガン玉が先行して沈むため、強いて刺し餌とウキに張りを持たせる必要はありません。ガン玉を先行して沈ませウキがなじむまでに、ライン操作を適切に行い、刺し餌をポイントに誘導することで半誘導の釣りにおいて釣果の差が出ます。

③~⑤までの間は刺し餌とガン玉とウキがガン玉を中心としたの字の状態になっているので、その間に魚があたったとしても、ガン玉の表面積が小さいのでガン玉が移動するのみでウキにはほとんどアタリが出ない状態です。

⑥の状態でウキ止めが固定されて、刺し餌とウキの直線ができてアタリが取れる状態になります。

要点まとめ
  • 半誘導仕掛けの場合、刺し餌が沈下して仕掛けがなじむまでの間はアタリが取れない
  • チヌ遠投用法の仕掛けの場合、着水して刺し餌とウキの直線状態が確保された時点からアタリが取れる(全層釣法・全誘導釣法と言われる由縁)

しかし、半誘導釣法が劣っているわけではありません。半誘導釣法において魚が喰ってくる、もしくは撒き餌が溜まるポイントが分かれば仕掛けがなじむまでに釣り人のテクニックにおいてポイント誘導が的確にできるという最大の武器があります。(条件としては魚に違和感を持たせず食わせるために小粒のウキを使用するのと、的確にポイントに仕掛けを送るための操作が遠投では難しいので、竿2本程度の近投での釣りとなります。)ですから磯釣りにおいてサラシや引かれ潮を計算に入れての釣りにはこの仕掛けがいいと思います。

ですが、事実、難しいです。ぎんきとしては自分でベストなポイントへ誘導するテクニックもなければ、初めてのポイントで潮を読んで云々すると一日、読み切れず終わってしまいます。

というわけで、複雑な潮流の状況や波や風などの状況でもなんとか仕掛け自体が撒き餌の集まるポイントへ誘導してくれる仕掛けをご紹介します。

それが次にご説明させていただく、水中ウキを使用した2段ウキ仕掛けです。

2段ウキ仕掛けの着水からの水中のイメージ

仕掛けの内容は以下のものとなります

道糸  PEライン(シンキング)0.6~0.8号
リダー フロロカーボン 1.5号 PEラインにFGノットで直結して5ヒロとる
ハリス フロロカーボン 1.2号 3ヒロ以上
ウキ  上ウキ 中通しB(小粒) 下ウキ(下膨れ形状のー2B)
ガン玉 ハリから50cm離してG5を1個のみ打つ
サルカン 極小サルカンを使用しリーダーとハリスを繋ぐ
ハリ チヌバリ2号沈め釣り用の重量バリ

補足ですがこちらも半誘導の仕掛けとしますので、上記の仕掛けにウキ止めを使用しますのでリーダーを半誘導部として、任意のところにウキ止めと誘導部にシモリ玉を入れます。誘導部は半ヒロと短くとります。

ちなみにウキの銘柄はキザクラ様の鵜沢プロ プロデュース UZAWA D.SUSⅡ& D-Winです。

それでは、順に解説させていただきますと、この仕掛けの場合チヌ遠投釣法に対応できるため、刺し餌をウキより沖に投入します。なおかつ着水と同時に刺し餌と下ウキを直線状態に持ってくるようにラインを張ります。

④の状態、イラストでは③の状態の上ウキと重なってしまっているので分かり辛いかもしれませんが、半ヒロとったウキ止めが上ウキを固定した状態になるとアタリが出るようになります。というのもガン玉とは違い下ウキは表面積があるため水中の抵抗を受けます。その上、上ウキと下ウキとのラインの張りが作用して上ウキと下ウキの間が一つのウキの役目をする状態になるので、ウキの動きや穂先にアタリを伝達します。

イラストの設定では刺し餌の重量が乗った時点でウキが⑥の状態となり、上ウキが沈んでいくような設定ですが、チヌ遠投釣法用のチューニングとしては、上ウキが固定された時点でゆっくり沈むよう下ウキに板おもりを張るなどして浮力調整します。刺し餌・下ウキ・上ウキ・穂先の直線状態を作って撒き餌の沈下速度に合わせて横方向に沈めていく

潮流が速い時やサラシがきつい時、波や風がある時など条件がハードになれば、ウキの重さ、例えば上ウキを3B 下ウキ4Bを使用するなどして対応します。

デメリットとしては2段ウキのイメージが今一つ良くない、仕掛けが複雑、コストが高くつくなど・・・・・

かなりオートマチック使用できる仕掛けなので面白みがないかもしれませんが、私は、最終兵器として、ここぞという時に使うことにしています。

チヌ遠投釣法 仕掛け理論のまとめ

長々と自分の思ったことを書きましたが、ふかせ釣り自体、難しいと思われている方がほとんどだと思います。ここは違うと思われた部分もあるかと思いますが、ぎんきとして、いろいろ検証してできるだけ簡単に楽しく釣れるような釣り方を紹介しようと思いますのでよろしくお願いします。