こんにちは、ぎんきです。
毎年、2月の10日前後の土・日に大阪南港のインテックス大阪で開催されるフィッシングショー OSAKAに行ってきました。私としてはこのフィッシングショーを訪れる一番の目的は伸ばされた竿を直に触れることが出来るということです。特にチヌ竿の関しては、ニューモデルの出荷がチヌの乗っ込み時期目前のこのフィッシングショー明けにされるので、まだ店頭に出ていないモデルを直に触れることが出来るのです。ちなみに磯竿に関しては、ほとんどのメーカー(数社ですが)は秋磯目前の8月から9月に出荷されるのが通例の様です。 ですから磯竿の今年(2020年)のニューモデルとしては、シマノではファイアーブラット グレ シリーズ・ファイアーブラッド オナガ シリーズ・ラフィーネ・アドバンス イソ ダイワでは、制覇 エアマスター AGS・エア レボリューションのSMTモデルと1号ー50・インプレッサの全モデル がまかつでは がま磯 デニオス ニッシンでは、ゼロサム X4 継承・ゼロサム X4 口太/口太競技なんかが2020年モデルですが、ほとんどは、すでに店頭に並んでいます。
チヌ竿に関しては、このフィッシングショー(横浜で釣りフェスティバル2020として1/17~19に開催されていますがそれは置いといて)で、真っ先に触れることが出来るのです。
というわけで今回のフィッシングショーでデビューするチヌふかせ竿はと言いますと
- シマノ
極翔 硬調 黒鯛 - ダイワ
銀狼 王牙 AGS - がまかつ
がま磯 ブラックトリガー
順不同
というわけでこの3モデルが今年のチヌふかせ竿のニューモデルなのですが、3モデルコンセプトが違うため、競合を避けた感があります。2018年はダイワとシマノで競合する価格帯の銀狼 唯牙 AGSと鱗海 マスターチューン 昨年は銀狼(Y)と鱗海AXの熾烈なライバル争いがあったのですが・・・・。
シマノの極翔 硬調 黒鯛はチヌ竿として異端ともいえるパワー重視のコンセプトロッド
ダイワの銀狼 王牙 AGSはダイワのチヌふかせ竿の正統派フラッグシップモデル
がまかつの がま磯 ブラックトリガーはチヌ遠投釣法専用コンセプトなのです。
シマノ 極翔 硬調 黒鯛
まず、会場が3つに分かれていて人も多いので、とりあえず入った6号館に、シマノのブースがあったので、ブースの裏でふかせ竿のコーナを発見。手前からファイアーブラッドシリーズが順番に並べてあり、真ん中あたりでチヌふかせ竿を発見、とりあえずニューモデルの 極翔 硬調 黒鯛 06号を手にとってぶらぶらさせてみる、1番2番は以前、持っていたアートレータ 06‐530と同じ感じ、ブースの担当の方が曲げてもらってもいいですよと言っていただいたのですが、この狭いスペースで無理だと思いますのでやめときますと辞退し、元の位置に戻し、横にある鱗海スペシャルとアートレータと比較すると極端に胴が太い。この竿の胴は磯竿なのです。
この極翔 硬調 黒鯛 キャッチコピーが硬派な釣り人に送りたい、真っ向勝負の黒鯛ロッド。とのこと、胴の力で速攻浮かせにかからないと取れないシチュエーション、藻場・シモリなどの多いところで狙うことに特化したチヌ竿なんですが、1番2番とそれ以降のギャップがある竿はなかなか使いづらい印象があるので、私としては今一つピンとこないのが実情かと、私ならパワーで勝負するなら本家の極翔をセレクトします。ちなみに極翔 硬調 黒鯛がモデルチェンジしたということは、いつも同時期にモデルチエンジしているのが本家の極翔なので、九分九厘今年の秋には極翔がモデルチェンジしますので、私はそちらの方に興味があります。
がまかつ がま磯 ブラックトリガー
シマノのブースの隣ががまかつのブースでしたのでそちらに移動。さすが竿メインでブースの展開をされているので、寝かした状態で竿に触れることが出来ます。負荷を掛けない状態で竿のバランスを確認するには言うこと無しです。負荷をかけた状態で竿のしなりを確認できるようなステージも設置されていましたが、ステージに上がって試してみる勇気はありません。がま磯 ブラックトリガーに関して、私のブログの中心がチヌ遠投釣法の釣行記ということで、本来なら、これこそ私が求めていた竿と触手が動くべきところなのですが、超遠投のみを推奨している訳ではないのと、通常のチヌ竿や0号クラスの磯竿でもPEラインの使用が前提ですが、十分遠投が可能なので、遠投重視の竿の必要性があるのかという疑問が生じます。事実あんまり遠投しても撒き餌をそこまで飛ばすことが困難だと思うのですが、がまかつに関していうとコンセプトの中心が胴調子なこと、ポジショニングマップでは、がま磯 アテンダーの1号が中間的なバランスになっていますが、先調子のがま磯 インテッサG‐Ⅴが、シマノのマップと重ねるとベイシスの中間的な調子に重なるのではと思います。メーカの基本的な調子の考え方がまちまちなのでこうなると思います。ということは、なぜ遠投特化のがま磯 ブラックトリガーが出たのかと言うと、がまかつのチヌ竿では胴に乗りすぎて遠投し辛いがために遠投特化のチヌ竿を開発された? 私ががまかつオンリーのガマラーでしたら飛びついていたかもしれませんけど、がま磯 チヌ競技スペシャルⅢでも、がま磯 チヌスペシャル 黒冴でも、遠投釣法に問題はないと思うし、チヌ専用にこだわらず0~1号のがま磯なら遠投釣法に問題ないです。あえて遠投に特化したブランドを増やすのは、ユーザーにとってただでさえ種類が多すぎてどれをチョイスしたらいいか分からない中で、どうかと思うのですが・・・・。しかし、がまかつの竿は格別です、今回、めったに触ることが出来ないマスターモデルⅡ チヌ M を触ってゆすってみたのですが、あのぬめっとした反発は他の竿では味わえない一品と感激いたしました。
銀狼 王牙 AGS
今回、私が一番気になったのがこの銀狼 王牙 AGSです。ダイワのチヌふかせ竿のハイエンドモデルです。シマノのハイエンドモデルのアートレータはどちらかと言うと競技に特化したコンペティションモデルに対して、この銀狼 王牙 AGSはチヌ竿の正統派モデルでどちらかと言うとシマノの鱗海スペシャルがライバルになるのではと思います。ダイワのブースは手前の少し小さい3号館にあり、一番奥にデンと構えていました。磯竿のコーナーを探しているとやはりこちらもシマノ同様ブースの裏にあり、スタッフの方が竿を手に取り、お客さんに説明されている最中でした、ちょうどその竿は銀狼 王牙 AGSであり、説明されている方は何とDAIWA 磯 チャンネルでお馴染みの銀狼のフィールドテスターであり開発者で、昨年の銀狼カップの覇者である木村公治さんでした.
丁度いい機会だったので、横で説明を聞いていると木村さんの方から竿を手渡してもらい。リールとラインをセッティングした状態の銀狼 王牙 AGS 0号を曲げさせていただきました。0号なのにしっかり張りがあり、曲がりのカーブは元竿までしっかり曲がって、きれいにカーブしています。
木村さん曰く、調子に関しては#4の調子に重点を置いて開発したとのこと。
ダイワの磯竿に関しては2016年リリースのフラッグシップモデルのトーナメント ISO AGSから今までのコンセプトである「細・軽・ピン」から「細・軽・靱」へと方向転換。操作性重視のコンセプトから取り込み釣り味(魚の引きを楽しむ)重視に、いわいる先調子傾向から胴調子への移行がありました。これは「粘靭ブランクス」と言うもので、このことは、かなりのチャレンジであり、今までのトーナメン ISOを愛用されていた方が店頭で竿を伸ばして持った感触に違和感を感じたはずです。ダイワもその辺を考慮されたのかどうか定かではありませんが、今まで10万円に迫るトーナメント ISOの価格が8万円台に抑えられていました。これが受け入れられた事実として、2018年により胴寄りに支点を持ってきたトーナメント ISO AGS REAR FORCEがリリースされました。こんな経緯もあり、元々胴調子が基本のチヌ竿にとって、ダイワの基本的のブランクスである「粘靭ブランクス」はベストマッチの素材であることは言うまでもありません。先にリリースされた銀狼 唯牙 AGSを経由して、この銀狼 王牙 AGSにそのノウハウがつぎ込まれて開発され、今回のリリースとなったのです。
次に手に取ったのは銀狼 王牙 AGSの1.2号でした。こちらも穂先を持ってもらい曲げさせていただいたのですが、0号と同様の元竿まできれいなベントカーブを描きます。今までのイメージでは号数が大きくなれば細い番手の節が曲がって、元竿まで曲げるには、かなりのテンションを掛けなければ曲がりきらないと思っていたのですが、1.2号と言えどもその支点移動がスムースなのか瞬時に胴に入ってきれいな曲がりを見せてくれます。
これは、開発のコンセプトにもある様に、竿を曲げてやり取りすることの醍醐味(美曲)を味わいながら黒鯛との駆け引きを楽しめる“優しい粘り”を体感できる竿として開発。このコンセプト通りの仕上がりと思います。ちなみに銀狼 王牙 AGS Web siteの画像の竿の曲がりは、銀狼 王牙 AGS 1号‐53・R そのものの曲がりであると確信しました。
木村さんが銀狼 王牙 AGSのアピールポイントとして説明いただいた内容は
- 穂先の視認性
- PEラインとの相性
- キャストのコントロール性能
- カラーリングのこだわり(マジョーラカラ―)
などなど、
私としては、PEラインしか使わないし、遠投主体なのでコントロール性能も重視するためかなりの注目のロッドであることは言うまでもありません。しかし、現状では銀狼 唯牙 AGS 競技 06‐50SMT があるのと来年、鱗海 スペシャルがモデルチェンジするのでそれと比較しようと思います。
宇崎日新
NISSINは、チヌふかせ竿をリリースしているメーカーで忘れてはならないところです。今年のチヌふかせ竿のリリースはなかったで、製品のピックアップしませんでしたが、私として、こちらのチヌ竿のハイエンドモデルのゼロサム 鱗 X4 04‐530を愛用しているためブースに立ち寄ることに、磯竿では東レナノアロイM40Xを採用したゼロサム X4 継承とゼロサム X4 口太/口太競技が今年のニューモデルです。昨年は富士工業のカーボンガイドのCIMを採用した竿が多数リリースされ、チヌ竿でもゼロサム 鱗 CIM・イングラム チヌ CIM・イングラム NAGISA CIM・ゼロサム 稲穂 CIM・イングラム 稲穂 CIM などがあり、特に超軟調胴調子のゼロサム 稲穂 CIMに注目したのですが。NISSINのチヌ竿はバリエーションが多彩で、稲穂シリーズは超軟調同調子、NAGISAシリーズは渚釣りに特化したもので、いわゆる変態竿の異名があります。しかし大手総合釣り具メーカーと異なり竿作り専業のため、パーツ関連は自社開発が難しいようで、ダイワ・シマノのようにリールシートやガイドを自社でカーボン成型して製造することができないため、その辺に苦労されているとのこと、スクリューシートが主流の現状、稲穂やNAGISAはルアーロッドのリールシートが流用できるのですが、正統派のふかせ竿のスクリューシートが他社と比べると見劣りする感があります。しかし、今回リリースされた継承に関して納得がいくリールシートの採用ができたとのことでしたので、ゼロサム 鱗 X4の後継に期待しようと思います。
フィッシングショー OSAKA 2020 まとめ
今回のレポートは初お目見えのチヌ竿を中心にしましたが、フィッシングショーでは、まだ店頭に出ていないニューモデルや購買意欲満々でないと触れるのに敷居が高いモデルも手に取ることができますし、実際欲しい商品が店頭になかったり、ネット中心で購入される方にとっては、またとない機会です。入場料と交通費(フィッシングショー OSAKAに限らず規模は変わりますが、地域の問屋さん主催の同様のイベントがあります。)は掛かりますが、行って損はないと思います。しかし、釣りの多様化により、アイテムが膨大になって目的を絞らなければ、アイテムが何が何だか分からなくなります。今回のフィッシングショーで入手した総合メーカーのダイワ・シマノの本カタログを見るとまるで図鑑です。
釣り初心者の方にとっては、展示アイテムを見るより各ブースで行われているセミナーやトークショーを聞いて、興味を持ったものをとっかかりに始めてみるのがいいかと思います。
- アイテムをきめる。
- セミナー・トークショーを聞いてみる
今回のフィッシングショーの私の目的はニューモデルのチヌ竿のチエックと大阪府釣り団体協議会(大釣協)に立ち寄り、毎年、大阪湾にチヌやアコウを放流していただいているので、僅かな寄付をすることでした。